日本認知症予防学会学術集会で論文発表を行いました
      当研究会理事の浦上克哉(鳥取大学医学部教授)が理事長を務める、「日本認知症予防学会」の第3回学術集会が、9月27日~29日に新潟市朱鷺メッセで開催されました。当研究会及び会員も4題の研究発表を行い、認知症早期発見の場として高齢者の安全運転講習会の有効利用、認知症にともなう免許証返納の一般意識と課題、トレーニングによる運転等運動能力の維持と認知症との関連などを提起しました。多くの学会参加者である医療・介護に携わる方々にも、運転の現場と連携する必要性を実感していただくとともに、認知症早期発見とその予防の可能性の新しい場づくりに期待いただくこととなりました。



      発表の概要

      「社会は認知症ドライバーをどう受け入れるか?」
      JAFMATE編集長 鳥塚俊洋氏
      session-torituka本来運転してはいけないはずの認知症ドライバーは実際にはどれくらい存在するのか、認知症ドライバーに対応する現在の道路交通法、認知症のドライバーを見つけ出すための高齢者講習予備検査の状況等が報告されました。さらに、認知症ドライバーのスムースな免許返納が進んでいない現状を踏まえ、認知症と運転についての独自の意識調査から、免許返納を円滑に行え、返納後の生活を担保する社会システム等の必要性が提起されました。
      この発表は優秀な研究に贈られる「浦上賞」を受賞しました。
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      「認知症早期発見と予防の場としてのエクササイズ」
      利根川Kスタジオ 利根川久女紅氏
      session-tonegawa20年にわたる高齢者を対象としたエクササイズの実践を通じ、身体能力、認知能力維持のために有酸素運動、関節等の支障(ロコモティブシンドローム)防止等を促す運動を継続して行うことの有効性が紹介されました。高齢となっても運転に必要な身体能力を維持するためには運転に必要な筋力の持続的トレーニング、柔軟な関節の動きのための運動、さらに認知症予防に効果がある運動を取り入れたエクササイズが有効であることが提起されました。
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      「地域における高齢運転者への取り組みと自動車教習所の役割」
      八尾自動車教習所 浅田克子氏
      session-asada高齢化が進む郊外部の地域行政が行う高齢者向けの安全運転講習会を通じ、安全運転の再認識、さらには免許証返納の覚悟の必要性についても解説するなど、初めての福祉行政と連携した実績が紹介されました。特に地方や郊外の高齢者にとって運転は不可欠となっている現状も踏まえ、今後は「家族」「医療」「地域」「行政」「教習所」が連携して認知症の問題に取り組む必要性が提起されました。
      この発表にも「浦上賞」が贈られました。
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      「認知症起因の高齢運転者事故削減を目指す」
      NPO法人 高齢者安全運転支援研究会 中村拓司
      session-nakamura政府発表の年齢別の認知症発症率等から、高齢者における認知症および予備群の免許保有者の推定数が約200万人以上であることを紹介しました。また、当NPOが独自に教習所等で行ってきた認知症スクリーニングテストでの結果等を踏まえ、早期に認知症の傾向を発見するためには、高齢運転者の認知症スクリーニングの対象年齢を引き下げる検討も必要であることなどを発表しました。
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